磁気駆動式遠心ポンプ
Compass
磁気駆動式遠心ポンプCOMPASSは、ポリプロピレンとPVDFで作られており、腐食性の高い液体に適しています。
Tこの革新的な磁気駆動システムにより、COMPASSシリーズは漏れや放出のリスクを減らし、メンテナンスにかかるコストを抑えます。
メカニカルシールを一切使用していない磁気カップリングによって動きが伝わる仕組みになっており、最大限の安全と効率を実現します。
このポンプで移送できるのは、清潔で浮遊物を含まない液体に限られます。
遠心ポンプの動作原理
遠心ポンプの特徴
それぞれの遠心ポンプには、そのポンプの性能をグラフで表す独自の性能曲線があります。
- X軸 (横軸) には流量Qが設定され、通常この単位は1時間当たりの立方メートル (m3/h) が用いられます。
これは、一定の時間内に遠心ポンプを通過する吐出し量を示しています。
この量は、ポンプの大きさ、モーターの回転数 (= インペラの回転速度)、そして流体の特性 (温度によって異なる密度と粘度) に依存します。
流量は、遠心ポンプのすべての性能に影響を与えるもので、最初に考慮すべき項目となっています。 - 一方、Y軸 (縦軸) には、揚程Hが設定され、通常この単位はメートルで表示されます。
これは、遠心ポンプの出口と入口との間の圧力差から計算されるもので、その流路において高さや曲線、またはバルブなどの抵抗に遭遇した場合どのくらい押し込むことができるかを表しています。
次のように定義してみましょう。
ΔZ = 下の容器Aと上の容器Bの高低差
- PA・PB = 下の容器Aと上の容器Bの自由表面に作用するそれぞれの圧力
- γ = 流体の比重 (= 流体密度*×重力加速度 g)
- ΣY = システム内での分散損失と局所損失の合計
理想的な条件、つまり配管内が完全に滑らかで、曲線やバルブ、フィルターがない場合は
ΣY = 0で、PA = PB = 周囲圧力となるため、H = ΔZとなり、この遠心ポンプは高さを克服するためだけにすべてのエネルギーを提供することができます。
しかし、実際は、この理想的な条件が達成されることは不可能であり、ポンプは単なる高低差以上のものを克服しなければならなくなります。つまり、達成しなければならない高さ、つまり揚程は次の式で定義することができます。
H = ΔZ + (PB – PA)γ + Σ Y
遠心ポンプのサイズ (インペラおよびボリュート寸法) とインペラの回転速度 (モーターの回転数) が確定すると、性能曲線はポンプごと異なり、固有のものとなります。
流体 γ の比重が分かれば、それを動かすのに必要な理論上の動力 W (単位:ワット) を算出することができます。
𝑊 = 𝛾 ⋅ 𝑄 ⋅ 𝐻
磁気駆動式遠心ポンプの場合、流体を動かすのに必要な磁気トルクも考慮しなければなりません。
実際にモーターが消費する動力 Wa は、効率 η で考慮されるポンプ内の摩擦と流体力学的損失を常に考慮しなければならないため、理論上の動力よりわずかに大きくなります。
動力曲線は、常に流量Qに依存するため、下の式で表すことができます。
𝑊𝑎 = 𝑊/𝜂
つまり、下のグラフのように、流量が増加するにつれて、必要な動力も増えるということが分かります。
磁気駆動式遠心ポンプの選び方
磁気駆動式遠心ポンプは、腐食性の非常に高い液体の連続的かつ安定した速さでの移送に適しています。
とはいえ、ポンプを選ぶ前に、あらゆる面から動作条件を見極める必要があります。
- 対象となる流体: 磁気駆動式遠心ポンプは、高性能であると同時にとても繊細なマシンでもあります。
そのため、取り扱う対象となる液体の粘度が200 cps (最大サイズの場合) 以下でなければなりません。
粘度が大きすぎるとより大きな磁力、つまり、非常に大きな動力が必要となるため、液体が全く動かなくなるリスクが生じます。
さらに、最大比重1.8 kg/Lも考慮しなければなりません。
この数値を越えてしまうと、インペラに過剰な負荷がかかり、モーターの消費電力が許容範囲を超えるため、動作に支障をきたします。
クローズドインペラは、詰まる可能性がある混濁液やスラッジを通すことはできず、さらに磁石が使われていることから金属粉も適していません。 - 温度: Fluimacの磁気駆動式遠心ポンプは、ポリプロピレン製の場合は-5℃から+65℃の範囲内で動作が可能です。一方、PVDF製の遠心ポンプは、-20℃から+95℃の範囲内に対応します。
重要なのは、その流体が常に液状を保つこと、そしてその粘度が200 cps (特に低温時) を超えないことです。 - 動作条件: それぞれの遠心ポンプには、流量 [m3/h] に応じてポンプが到達できる揚程 [m] を示す固有の性能曲線が存在します。
そのため、遠心ポンプを選ぶ前にシステム条件をしっかり理解しておくことが、ポンプおよびシステムの損傷や性能の不適切を防ぐために重要となります。 - 構成:自吸式ポンプではないため、吸込側タンクの外側、さらに流体の自由表面よりも低い位置にポンプの軸が地面と平行になるように配置する必要があります。
遠心ポンプのメリット
- 高い安全と効率:インペラと流路はカップによって、モーターからも外部からも完全に遮断されているので、漏れや放散を防ぎます。
そのため、安全および環境に関する厳しい規制に従い、毒性または腐食性の高い危険な液体の移送に適しています。 - メンテナンスコストの削減:磁気駆動式ポンプには摩擦する部品が使われていないため、摩耗することがなく、従来のメカニカルシール式ポンプと比べて部品交換頻度が大幅に減少します。
- モーターとポンプの簡単接続:機械的な伝動部品がないため、モーターとポンプの組み立てが簡単です。
内部磁石と外部磁石の電磁相互作用によって、インペラは自動で回転軸に一致します。
Fluimacの磁気駆動式遠心ポンプCompassの構造
遠心ポンプとは、流体の圧縮率を変更することなく、常に開放されている一定の流路と回転する流路を通って、遠心力の力で流体を処理することのできる水力式ターボ機械です。
このことから、遠心ポンプと呼ばれています。
磁石によってインペラが回転し、流れに運動エネルギーを与えます (放射状に加速)。そして、このエネルギーは次の広がる流路で圧力エネルギーに変換されます。
磁気駆動式遠心ポンプの主な構成部品は次のとおりです。
- インペラは、流体をエネルギーに変換する可動部品で、遠心ポンプの主要構成部品です。 遠心ポンプの用途および取り扱う流体に応じて、PP+FRPまたはPVDF+CFの繊維強化プラスチックが使われており、外側に向かって断面が広がる流路を形成する一連の湾曲した羽根で構成されています。 クローズドインペラは揚程損失が少ないため、ポンプ効率を高めますが、汚れた液体は通過しにくい特徴を持っています。 インペラは、内部磁石に直接はめ込まれていて一体となって回転し、その全体を固定軸が支えています。 モーターとインペラの間には一切直接的な連結はなく、動きは内部磁石にのみ伝えられます。粘度の低い流体(最大200 cps) を使用しなければならないのはこのためです。
- ポンプ本体またはボリュートはカタツムリ状になっており、流れの方向に向かって断面が大きくなっており、軸方向に流体が吸い込まれ、放射状に上方へ吐き出されます。 流れを誘導することに加えて、磁気駆動式遠心ポンプのパフォーマンスにとっても重要な役割を持ち、面積が大きくなることで、流体を適切に減速させるため、運動エネルギーが圧力エネルギーへ変換されます。
- 外部磁石は、モーターに固定されおり、その回転をインペラに伝えます。 流体と接触することが一切ないため、摩耗や腐食の影響を受けません。
- 分離カップとは、流体と油圧部品を外部環境から完全に遮断するものです。 完全密封されており、液体が漏れる心配がありません。 インペラ (と内部磁石) を外部磁石から分離しており、液体との化学的適合を考慮してポンプ本体と同じ材料で作られていますが、磁気駆動には影響を与えません。 磁気駆動式ポンプにおいて、インペラの同軸性は、放射方向に対しては磁力によって、カップに対する固定軸によって維持されます。
- モーターは 、回転をもたらす部品です。 そのほとんどが、2極式電気モーター (約3000 rpm) となっています。 この回転回数に基づいて、磁気駆動式遠心ポンプの性能曲線が決まります。
磁気駆動式遠心ポンプCompassの使い方
- この磁気駆動式遠心ポンプは、インペラにはめ込まれた内側と外側のそれぞれの磁石が持つ電磁相互作用によって動作します。 この力は熱を発生させるため、部品を冷却する必要があります。 当社のポンプは、常に作業流体によって冷却されるように設計されており、追加の手段を必要としません。ただし、磁気駆動式遠心ポンプは常に流体が充填されている状態で動作させる必要があり、部品の融解やその結果としての液体漏れを防ぐため空運転は禁止されています。
- 磁気駆動遠心ポンプは、腐食性、毒性、汚染性の高い液体または高価な液体を取り扱うのに最適なソリューションです。
ただし、クローズドインペラが詰まる可能性があるので、懸濁のない、清潔な流体である必要があります。 - 磁気駆動式ポンプでは、モーターの出力を上げることで、最大で粘度200 CPS (最大サイズの場合) または比重1.8kg/Lまでの流体を扱うことができます。
毎分回転数 [rpm] が同じならば、モーター出力を上げても流量と揚程に影響しませんが、より密度の高い液体による負荷の増加を補うことができます。
粘度がさらに高くなると、より強い磁力が必要となり、限界を超えるとインペラの回転が損なわれ、結果的に流体の移送ができなくなってしまいます。 - <磁気駆動式遠心ポンプは、非常に効率的ですが同時にとても繊細なマシンです。
そのため、適切な一台を見つけるには、システムの特性と作動流体を知る必要があります。- その作動原理により、この遠心ポンプは吸入側に負圧を生じさせます。
インペラ入口での絶対圧力が作動流体の蒸気圧を下回ると、キャビテーションが発生します (液体が蒸発して蒸気泡が発生し、インペラで爆縮が発生)。
Fluimacの磁気駆動式遠心ポンプは、流体タンクの外、そして常に揚程の下となるように配置する必要があります。これは、液体がポンプの吸込口にスムーズに流れ込むようにするためです。
最大吸込高はNPSH曲線で知ることができます。
ポンプの有効NPSHは、システムの必要NPSHよりも常に大きくなければなりません。この数値は、測地高さ (手前にあるタンクとポンプ吸込口の高低差)、これら両ポイントでの揚程損失、そして手前にあるタンクの自由表面圧と液体の蒸気圧の差から導き出されます。 - 吸込条件に加えて、揚程の算出に影響を与える吐出管を知ることも重要です。
磁気駆動式遠心ポンプを選ぶ前に、システムが必要とする揚程を知る必要があります。これは、測地高さ (移送すべき流体が通過するポンプ前後タンクの高低差) にシステムに起因するすべての揚程損失を加算して把握できます。
これらの損失は、分散損失と局所損失のふたつに分けることができます。
分散損失は配管内の流体の流れに依存するもので、配管の寸法と状態に関する情報が必要です。一方、局所損失はシステム内に備わっているカーブ、バルブ、フィルターなどの要因に依存します。 - 最後に必要な情報が、作動流体です。
粘度と密度もまた揚程損失の算出やモーター出力の選択にも影響します。
この粘度には動作温度が大きく関わることも覚えておきましょう。
つまり、低温は粘度を著しく増加させるのです。
- その作動原理により、この遠心ポンプは吸入側に負圧を生じさせます。
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